夏の車中泊では「いかに車内を涼しくするか?」という事は大きなテーマ。エンジンを切って車内で過ごすと、時期や場所によっては温度や湿度が高くなるからです。
これまで、扇風機、自作ベンチレーター(換気扇)、冷風扇・・・と色々試してきました。けれど、納得できる涼しさに出会えませんでした。
そんな時、冷える!と評判の「アイリスオーヤマのポータブルクーラー(IPC-221N)」を発見。ノンドレイン方式(詳細は後述あり)であることから、これは車内でも良いのでは!?と期待が高まり購入しました。
早速、軽キャンの中で使ってみました。
アイリスオーヤマのポータブルクーラー(IPC-221N)を車中泊のエアコンとして使う
今回は、軽キャンでの使用感(レビュー)に触れながら、特徴を説明します。
上画像のクーラーが、今回紹介する「アイリスオーヤマのポータブルクーラー(IPC-221N)」です。シンプルデザインで、一見すると除湿器や冷風機のような印象。
2020年6月から販売されていますが、即完売でした。数量を確保した一部の店舗が高値で販売をしているほどの人気。品薄でしたが2021年もアイリスオーヤマさんで限定数で販売しています。(2021年5月17日に確認済)早めのチェックをおすすめします。
さらに、2021年5月より今回紹介する機種の他に5種発売中。温風機能や窓パネル改良などされていますが、私が求めるクーラーとしての機能は同じです。
【共通機能】
・取付工事不要でどこでも設置ができ、エアコン配管穴がなく設置が難しい場所でも誰でも簡単に設置可能。
・ノンドレン方式を採用し、水捨ての手間が省けます。
・冷風・温風運転をしながら同時に換気ができるので窓を開けて換気する必要がなく、外気の侵入による室温の上昇・下降を防ぎます。
・除湿モードを搭載し、部屋干しにも活用できます。
詳しくチェックされたい方は以下公式サイトへどうぞ。
それでは、ちゃんと冷えるのか?という結論。
排気方法を工夫して車の中で使ってみたところ、これまで感じていた「冷え」に対する物足りなさが吹き飛びました。
車内では条件付きで使えるクーラーだと思う
- 車に入れるには大きくて重い
- 突入電源が大きい!電源付きサイトでの利用が現実的
- 排気ダクト周辺は工夫が必要
- ちゃんと冷える!湿気を感じない
- 音が気になるかどうかは個人差がある
といったところ。
今回は、これらについて詳しく説明していきます。
今回試して特に感動したのは「ちゃんと冷える!」という事。
車内で使う事を考えた時、重い・大きい・突入電源の大きさ・音などが気になるものの、冷えに関しては「これだけ冷えてくれればあとは目をつむるよ~!」と思える。
だって購入するまでは「涼しいって言っても・・・車内に湿気が溜まって、何となく涼しいかなぁ程度でしょう?」と疑っていたから。
あぁ~涼しいってこういう事!!!と、改めて「冷え」を実感できるクーラーだったのです。
主な特徴は以下の通り。
ここが嬉しい!アイリスオーヤマのポータブルクーラー(IPC-221N)の特徴
- 工事不要!持ち運んで使えるクーラー
- エアコンと同じように「冷房・除湿・送風」する
- お水や氷を使わない
- 窓を開けて換気する必要がない
- 水捨て不要のノンドレイン方式(※)
お部屋で使う事を前提とすれば「ふ~ん、工事せず使えるんだ!持ち運びできて便利だなぁ」と思うことでしょう。
狭い車内ではどうでしょうか。
では先ほどの結論、
- 車に入れるには大きくて重い
- 突入電源が大きい!電源付きサイトでの利用が現実的
- 排気ダクト周辺は工夫が必要
- ちゃんと冷える!湿気を感じない
- 音が気になるかどうかは個人差がある
これらをもう少し詳しく説明します。
車に入れるには大きくて重い
スペック
- 質量:22kg
- 寸法:幅350×奥行343×高さ704mm
まずはこれ。車内に持ち運ぶとなると、重さと大きさは気になるところ。
スペックを見ると、テーブルに置く「冷風扇」に比べて重くて大きいですよね!でもそれは「クーラー」だから。コンプレッサーと冷媒を利用した、熱交換器を搭載しているからです。
室内で使う分には「取っ手」と「キャスター」が付いているので移動は楽です。
軽キャン「インディ108」の使用感(レビュー)
早速軽キャン車内へ。寸法を知っていたけれど、実際入れると大きく感じます!シンクよりも高さがあります。
セットしてベット展開するとこんな感じに。
ベット展開すると1人分の就寝スペースが無くなりました。本来はクーラーが置いてある部分にも、フラットなマットを置きます。
▼本来のベット展開
ポップアップルーフがあるので、クーラーを置いても、大人2人+小型犬の就寝スペースは確保できます。車内で大人2人で食事するには厳しい狭さになりました。
とはいえ、収納力が高いインディの良さが、ここでも証明されて嬉しい。本当に可愛い車です。
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突入電源が大きい!電源付きサイトでの利用が現実的
スペック
- 電源:100V 50/60Hz
- 消費電力:620W/50Hz ・720W/60Hz
6畳くらいの広さを冷やすとされています。
消費電力がこれだけ大きいのは、熱交換器で空気を冷やす時に、空気中の水分を凝結させる仕組みになっているから。除湿効果もあります。これが、気化熱を利用する冷風扇との大きな違い。
「アイリスオーヤマのポータブルクーラー(IPC-221N)」は、部屋干しの際にも使える除湿モードや、送風モードを搭載しています。
ここで気になるのが、立ち上がりの「突入電流の大きさ」です。
突入電流の大きさに注意
車に搭載しているマルチインバーターでは、突入電流が高くて使えませんでした。
許容範囲内の800Wだったので大丈夫かと思ったんですが甘かった(後述あり)。車中泊で使う場合は、電源サイトがあるキャンプ場やRVパークでの利用が現実的だと感じています。
お手持ちの「バッテリー容量」と「周波数地域」をチェックしてから使う事をおすすめします。
地域によって100W分の消費電力が違います。「アイリスオーヤマのポータブルクーラー(IPC-221N)」の消費電力は、620W/50Hz 、720W/60Hzです。
▼周波数地域
photo by SHARP
軽キャン「インディ108」の使用感(レビュー)
電源を入れた瞬間に涼しい風!部屋のエアコンと同じ快適さを感じました。温度設定も可能です。じわ~っと、何となく涼しい冷風扇とはパワーが違う。あぁこれで遠出出来る!と、妄想が広がります。
窓を閉め、クーラーの温度表示を見つめていると、1、2分で温度が下がっていきます。狭い空間ですからね。
ただ・・・先ほど触れたように、問題は電源。
再度スペックをチェックしてみましょう。
- アイリスオーヤマのポータブルクーラー:620W(50Hz地域)
- 私の軽キャン搭載のマルチインバーター:800Wタイプ。メーカーによると、消費電力合計が560~640Wぐらいまでが理想。
数字としては許容範囲ですが、突入電流が高いために「ピピピ・・・」と警告音が出て、数秒でダウン。受け付けてくれませんでした。
結局、車を通さずに家庭のコンセントに直接つないで使用。近いうちにRVパークで試運転する予定です。体験したら、別記事にて紹介します。
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排気ダクト周辺は工夫が必要
このクーラーは、エアコン配管穴が無くて設置が難しい場所や、一時的に部屋を涼しくしたい場所に使う仕様になっています。
室外機が無く、排気ダクトから熱を出すようになっています。
ガレージや小屋で作業をする時は、空気が流れるのでさほど気になりません。でも、室内で使う時には、排気ダクトからの空気を窓の外に出して使う設定になっています。
photo by アイリスプラザ
室外機無し!排気ダクトで熱を排気する
photo by アイリスプラザ
部屋で使う場合は、付属の屋外排気用3枚式窓パネルを設置することで、熱を外に排気できます。排気温度は高温。手をかざすと、熱くてすぐに除けてしまうほど。外に排気する事を強くおすすめします。
なお、この窓パネルは760㎜~1425㎜まで収縮し、面倒なビス止めや加工をする必要がありません。ホース穴以外の隙間が無いため、雨や虫の侵入も防ぐ構造になっています。
とはいえ、窓の形によっては付属窓パネルが使えませんよね。
キャンピングカーの窓も特殊。でも、ちょっとの工夫で代用できるんですよ。
軽キャン「インディ108」の使用感(レビュー)
スポンジ(黄色く見えている部分)をカットして窓パネルの代用にしました。厚手のスポンジはホームセンターでも手に入ります。ネットでは他の色もありました。
黄色しか無かったのです・・・泣。
ちなみに、モーラナイフでカットしました。使い古したカッターよりも切れ味は抜群!
スポンジなので車体を傷つける事もなく、軽量。収縮するので、ちょっと小さめに穴を開けて押し込めば密封されて、虫も雨も入りません。
このスポンジを使ってベンチレーターを作ったり、穴を塞いだり。けっこう手軽で便利です。
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ちゃんと冷える!湿気を感じない
「アイリスオーヤマのポータブルクーラー(IPC-221N)」は、空気中の水分を凝結させる仕組みです。
氷や水を入れ、気化熱を利用する冷風扇とは構造が違う。実際に冷風扇を車内で使った事がありますが、冷えのスピードや体感がまるで違いました。
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冷風扇との違い
家庭で持ち運べる冷却器として、よく比較されるのが「冷風扇」。「気化熱」を利用するものです。
以下の図は、濡らして使うクールマスクより。
▼気化熱の原理
手軽さが最大のメリットですが、狭い空間では長時間使っていると湿度が上がり、体感温度がすぐに高くなってしまう。それを防ぐには換気が必要。
つまり「冷風扇」は軽量コンパクトだけど、お水や氷の準備、換気が必要なのです。
出先で、必ずしもお水や氷があるとは限りません。そして、車内はではいつでも換気が出来るとは限りません。換気が出来たとしても、せっかく冷えた空気も入れ替わってしまいます。
そこで「アイリスオーヤマのポータブルクーラー(IPC-221N)」です。
多少重たくても、大きくても。お水や氷を使わず、湿気も感じない冷えを得られる。換気不要で使える仕様は、とっても有難い事なのです。
軽キャン「インディ108」の使用感(レビュー)
運転してすぐ、数秒で吹き出し口からの冷たい空気に感動します。
前面で温度を測ったところ、30分ほどで27℃から23℃まで下がりました。そして更に、1時間で21℃に!ただ、空気が冷える部分にムラがあるので扇風機で空気を混ぜたほうが良さそうです。
軽キャン「インディ108」は断熱材入りボディなので、一般乗用車とは温度の変化が多少違うかと思います。
そして、気化熱ではなく「空気中の水分を凝結させる仕組み」となると、その水分を外へ出す必要があります。
長時間使うことを想定して、連続排水で付属のドレインホースを使いました。
今回は簡単にピッチャーをセット。
ドレインホースを使わずとも、本体にたまった排水タンクを抜き取れば使えます。室内ならば、本体タンクに溜めた方が見た目スッキリ。バケツをうっかり倒したりする事もありません。
でも、狭い車内では、本体から排水タンクを抜き取る作業は大変な手間なんですよね。連続排水運転をして、バケツなどに溜めた方が使いやすいように感じました。
この日は、梅雨時の27℃超え。溜まったお水は30分で500mlくらいでした。
音が気になるかどうかは個人差がある
口コミでは煩いとおっしゃる方もいらっしゃいます。でも、私はそれほど気になりませんでした。確かに室内のエアコンと比べたら音はしますが、例えて言うのならば「除湿器」のような音量です。
それよりも、暑くて作業に集中できない事の方が不快ではないでしょうか。そんなに音が気になるのならば、耳栓をしたり音楽をかけたりすれば解決です。
まとめ
「アイリスオーヤマのポータブルクーラー(IPC-221N)」を、軽キャンピングカーインディ108での使用感(レビュー)と共に紹介しました。
重い、大きい、突入電源が大きいなどがあるものの「ちゃんと冷える」ことに感動しました。車内で使う事を考えた時、手軽な冷風扇を選んでしまい叶わなかったんですよね。(冷風扇は車内に湿気が充満するから)
使った感想は以下の通り。
- 車に入れるには大きくて重い
- 突入電源が大きい!電源付きサイトでの利用が現実的
- 排気ダクト周辺は工夫が必要
- ちゃんと冷える!湿気を感じない
- 音が気になるかどうかは個人差がある
今回は、車で使う事を目的に記事を書きましたが、本来は家庭用の簡易的な冷房として設計されています。突入電源について色々言いましたが、家庭用電源を使うのならば何の問題もありません。
主な特徴は以下の通りです。
- 工事不要!持ち運んで使えるクーラー
- エアコンと同じように「冷房・除湿・送風」する
- お水や氷を使わない
- 窓を開けて換気する必要がない
- 水捨て不要のノンドレイン方式(※)
このほかにも、操作パネルがシンプルで分かりやすい、フラットで掃除しやすい、リモコン付き、タイマーや風量調整付き・・・と、良い点が沢山あります。
なお、部屋で使うのならば、重さは気になりません。逆に、軽すぎるよりも安定感があります。キャスターと取っ手があるので移動は楽でした。
身近な場所の熱中対策におすすめ
photo by アイリスプラザ
コロナ禍で在宅勤務が増えた今、色々な場所での熱中対策が必要です。
家庭で壁に穴を開けられない、賃貸で単身赴任されている方、熱がこもりやすい部屋の隅っこなどにかなり有効だな!と感じました。
冷やすだけではなく、除湿、送風が出来ます。
クーラーが人に合わせる時代
これまでは、設置工事をしてクーラーがある場所に人が移動して涼んでいました。でもこれからは、クーラーが人に合わせる時代がやってきたのです。
私は購入して本当に良かった!と思っています。私は部屋でも使います。
工事不要なので、届いたらすぐに使える。
この夏、あなたのいつもの場所を涼しく!快適にしてみませんか。
私が購入した機種は登場してすぐに完売した人気商品で、翌年(20201年)も引き続き販売されています。ですが、限定数なのでお早めに。
なお、2021年5月から今回紹介した機種の他に5種発売中です。クーラーとしての共通機能は同じですが、窓パネルなど改良されています。お部屋でお使いの方はチェックされると良いですよ。
【共通機能】
取付工事不要でどこでも設置ができ、エアコン配管穴がなく設置が難しい場所でも誰でも簡単に設置可能。
・ノンドレン方式※7を採用し、水捨ての手間が省けます。
・冷風・温風運転をしながら同時に換気ができるので窓を開けて換気する必要がなく、外気の侵入による室温の上昇・下降を防ぎます。
・除湿モードを搭載し、部屋干しにも活用できます。
温風機能や窓パネル改良などされていますので、詳しくチェックされたい方は以下公式サイトへどうぞ。